昨日の告知通り、清滝朝練をした。
平日の早朝ということもあるし、告知したのが昨日の今日ということもあるので、参加人数に関してはそれほど期待はしていなかったが、かなたにさんが来てくれた。というよりも、私は心のどこかで「かなたにさんは来てくれる」と、何の根拠も無くそう思っていた。
抜きつ抜かれつのかなりしんどいバトルだった。ひとりで走っていてはこうはいかない。精一杯追い込んでいるつもりでも、やはりどこかに甘えがあって、自分を許してしまう。同じぐらいの実力の人と一緒に走ると、抜かされた時はサボってるし、抜いた時には頑張ってることになる。
「多分相手も苦しいんやろなあ。ということは今がチャンスやな」とか、
「うわっ抜かれた!でも後ろに付けたる!」などと、おそらく相手も同じことを考えながら走る。楽しいけど苦しい。苦しいんだけど楽しい。
こんな感覚、どれぐらいぶりだろうか!
一応スポーツが盛んな高校に入り、一応運動部に所属し、一応人並みの練習をして苦しさと楽しさを経験した。運動部ならではのバカなノリ、ハタから見ればサブい青春。そういった空気の中での生活が当たり前だったのに、いつしかそんな中から飛び出していて(それはつまり「大人になった」ということなんだろうけども)、そしてそんな空気の中には二度と戻れないものと思っていた。
ところが、走り終わって歩道にへたり込み、「あー、あー、あー、しんどー!!」と、人目も気にせず大きな声で叫んでいるかなたにさんを見ていると、「ああ、この人はずっとあの空気の中にいるんだろうな」って思った。ついでに私もあの空気の中に戻れたような気がした。
この人はきっと、自転車競技だけではなくアメフトでもそうだろうし、野球でもサッカーでも、もっと言うとセパタクローでもカバディでも、こんな感じでスポーツというものを純粋に楽しんで、こんな感じで友達を増やしていくんだろうなって、失礼ながら年下の私が冷静に分析してしまった。
別れる際、これまた大きな声で「お疲れー!!ありがとう!!」と叫んで帰って行く後姿を見ると、少しトリハダが立った。私の中に微かに残る「スポ根魂」が揺さぶられた。「かなたにさんは来てくれる」って、何の根拠も無く思ったのは、私の「スポ根アンテナ」が反応したからかもしれない。
カーボンフレームだとか、10速デュラエースだとか、軽量ホイールだとか、とりあえずそんなものはどうでもよくなった。やっぱり自転車は「走ってナンボ」である。
ストップウォッチは自己ベストの10分44秒で止まっていた。