今日仕事で、お客さんのクルマを試運転していたら、路肩の溝にタイヤがハマってしまって立ち往生しているおばあちゃんがいた。いつもの私なら無視して素通りするのだが、ちょっと前に自分が脱輪した時、見ず知らずの人に助けてもらったことがあるのを思い出した。どうせ仕事もヒマだし、あの時のお返しだと思って助けてあげることにした。
前輪が完全に脱輪しており、タイヤはバーストしている。なんとか脱出しようとタイヤを空転させたのだろう、ゴムの焦げる匂いがしていた。驚いたのは、おばあちゃんなのに自分で車載工具とジャッキを出し、なんとか自力で復旧させようと努力しているのである。
タイヤがパンクしたり、バッテリーが上がったぐらいのことですぐにJAFやディーラーにヘルプを要請する人が多い中、そのおばあちゃんの「なんとか自分で出来るところまではっ!」の精神が気に入り、ジャッキアップからスペアタイヤの交換まで全てタダでやってあげた。
作業中にいろいろと会話をしたのだが、えらくしっかりした口調で話す人で、非常に好印象だった。作業が終わり、大変なお礼を言われて恐縮していると、「是非ウチの店に来てください。なんでもご馳走します」と言う。聞くと、阪奈道路沿いの大きな喫茶店(今流行のカフェっていうヤツ)のオーナーさんだった。
会社に戻って、カフェに詳しいおばちゃんに聞いてみると、そこは結構高級な喫茶店らしく、コーヒー1杯800円とか、ランチ2000円とかするらしい。確かに店の外観もゴージャス。「いつでも来てください」って言われたけど、庶民の私にとって一人ではとても入りにくい。
友達10人ぐらいで行ってもご馳走してくれる?おばあちゃん。