mixiの方でいろいろとコミュニティに参加してみた。
全くの他人同士が、例えば私の場合なら「大宮小学校」というコミュニティの中で、出身校である大宮小学校の話題で盛り上がる。「バックトゥザフューチャー」というコミュニティの中では「あのセリフ良かったね」とか「あのシーンは泣けた!」とか言い合ってる(書き合ってる)。
全然知らない。顔も見たこともないし声も聞いたこともない。そんな人達と共通の話題で盛り上がるのは楽しいことだ。同じコトを共感するのは誰だって楽しいと思うけど、それが初対面の人であったりインターネットという顔を合わせない環境だからこそ楽しさは倍増するのだと思う。だってイヤになれば簡単に退会できる。「輪」に入れないなと思ったら簡単に逃げることが出来るのである。現実の人間関係ならなかなかこうはいかないことが多い。
私の大好きなショートショート作家の「星新一」というコミュニティに入ってみた。
すでに「輪」の中に入っていた人達のレスを読み直していると、「mixiは現代版『ナンバークラブ』だね」なんてことがよく書かれている。内容がうろ覚えだったので本棚をあさってもう一度『ナンバークラブ』という物語を読み直してみた。個人情報が登録されているカードを使い、共通の話題をコンピュータが検索して提示してくれるので初対面の人とも百年の知己のように話が弾むというクラブの話。
mixiのコミュニティと全く同じである。20年以上も前に書かれた物語なのに、現代のことをスバリ言い当てられているようで少しトリハダが立った。物語には、会員ではない友人に入会を勧めるのだけど「僕はプライバシーを大切にしたいんだ」と言って断られるというくだりもある。「自分が自分であることを失ってしまうのではないかな」。その友人が言っていることも的を得ている気がする。ブログを書く時に別人格が現れることもある私は肝に銘じておかないといけない言葉だ。
星新一は『ナンバークラブ』を通じて何が言いたかったのだろう。プライバシーを大切にしすぎて人生を楽しめない人に対してなのか、ナンバークラブにハマりすぎて戻れなくなってしまう人に対してなのか、とにかく警鐘であることはなんとなくわかるんだけど・・・。
皆さんも一度読んでみて下さい。『かぼちゃの馬車』に収録されています。