カウントダウン

 昔誰かに「一生の内に打つ心拍の数は決まっている」ってのを聞いたことがある。その人が言うには、スポーツ選手など激しい運動をよくする人は、心拍数が普通の人よりも上がることが多いので寿命が短いらしい。長生きするためにはスポーツなどは避けて、ゆっくりのんびり最低限の活動だけをしてひっそりと暮らすことが一番だそうだ。まあ人里離れた田舎に高齢な方が多いことを考えるとあながち間違ってはいないと思う。

 自転車に乗って適度な運動をしている私たちが、何もしていない一般人よりも寿命が短いなんてなんだか納得いかないが、レースや清滝アタックなんかをして最大心拍数に達する機会が多いと、やはり心臓には良くないのだろうか。クルマのエンジンだって、しょっちゅうレッドゾーンまでブン回すエンジンの寿命はそんなに長くはない。

 人間が一生の内にカウントする心拍数なんて計算する気にもなれないが、もしも数が決まっているとするならば、人は生まれた瞬間から(厳密に言えば胎児の状態から)、死へのカウントダウンをしているということになる。

 そのカウントを早く終わらせてしまうか、大事に長く使うかは人それぞれの生き方なので「どうぞご自由に」としか言いようがない。だけど、この夏で2歳になる息子と、先日生まれたばかりの娘、それから世界中の子供たちのカウントが、戦争とか、殺人とか、事故とか、病気とかで無理矢理終わらされることの無いように、心から願う。