これはなんでしょう?
正解はハンドルカバーを縫っているところ。この作業、没頭できてなかなか楽しい。ハンドルぐるり一周縫うのに約1時間かかるけれど「アッという間」という言葉がぴったりハマる。
指先に神経が集中しているのだけど、アタマの中では意外といろんなことを考えているものだ。
昔はこの作業も結構あったのだけど最近はめっきり減った。というよりも、ホンダにやって来るお客さんの層が変わった。
グランドシビックやビートなんかが販売されていた頃はやっぱり若い人が中心で、自分でエンジンや足回りをいろいろとイジっては壊し、イジっては壊しを繰り返して来るお客さんが多かった。「結局プロにやってもらった方が早かったっすね〜」なんて笑いながら仲良くなっていったものである。
時代の移り変わりであるのか、スポーツカーばっかり製造していても儲からないのか、最近の若者がクルマに興味が無かったりするのか、いずれにせよ「仕方の無い」ことなのだけども、やはりクルマ好きの一人として少し寂しい感じはある。
若者のハートを揺さぶるようなクルマを発表して欲しいものである。それがホンダの生きる道だったりして。
そんなことを考えながら作業を続けていたら、いつの間にか終わっていた。我ながら上手に完成してうれしい。
それに加え、私も一時代を語れるサービスマンになったんだなあと思うと感慨深い。