仕事柄、マフラーを交換したり、ローダウンサスに交換したりと、お客さんの要望に合わせてクルマをカスタムすることがあるのだけど、そういうものにホント興味が無くなった。もちろんクルマがそうすることによってカッコ良くなるので大反対というわけでもない。むしろ自分も昔はそんなパーツにアホほどお金をかけていたクチだからエラソーなことは言えない。
だけどそれが最近は「コレつけたからってどうやねん」「燃費悪なるだけやん」みたいな考え方になってしまい、「クルマなんか何でもええやん」というようなオッサン思想に早くもなりつつある。
それは間違い無く歳のせいでもあるのだけど、自転車に乗り始めるようになって、そんなオッサン思想が急加速したように思う。
クルマはお金をかけることによって確実にパワーは上がるし速くもなる。速さはお金で買える。だけど自転車はそうはいかない。なけなしの小遣いをはたいて高価なパーツを導入しても、肝心の自分が遅ければ自転車は速く走ってくれない。新パーツを導入するとプラなんとか効果でテンションが上がって速くなることがあるが、それは間違いなく気のせいである。
プロとか本気のホビーレーサーとかは別にして、私が出会う「速い人」ってのは、自転車本体やパーツやウェア等にお金をかけていない人が結構多い気がする。もちろん自転車の楽しみ方はいろいろあるので考え方は人それぞれだけど、私はそんな人をホントに尊敬する。「自転車は走ってナンボ」を地で行っているからである。
タマ〜に見かける高価で軽量なロード乗りよりも、毎日同じ時間に同じ場所で見かける泥除け付きクロスバイク乗りの方がきっと速いと思う。プロのモノマネなんてしなくても十分速くなれるのである。
そう考えたら私ごときのレベルのモンが、スネ毛をキレイに剃るってのもどうかと思うな。風呂場で静かにカミソリを動かしているとそんなことを良く考える。心の片隅に「スネ毛剃るってどやねん」と考える自分がまだいるんだろうな。
とにかく走ろう。元気に走ろう。
スネ毛は剃るけど。