鈴鹿8耐ソロ参戦レポート

〜はじめに〜

 鈴鹿耐久レース出場の皆様、大変お疲れ様でした。応援して下さった方々、走りながら声をかけて下さった方々、アシストして下さった方々、本当にありがとうございます。なんとか無事に8時間ソロを完走する事が出来ました。しかし8時間とか10時間とか、ソロでの出場はもうイイです。お腹一杯です。


〜スタートから2時間目まで〜

 結構後ろの方からスタート。先は長いので始めはゆっくり流す。8時間もの長丁場である。ゆっくりとマイペースで走り切る作戦を立てて来た。某猿隊長の「イケるとこまでイク作戦」では完走出来ないことを先のミッドナイト10時間で証明してくれた。「5時間目ぐらいで死んだおばあちゃんの顔が見えた」とのことであったが、そんなもんが見えたらホラーである。彼のアドバイスは素直に受け入れておく。しかしこれはレースである。マイペースがイチバンだということは重々承知だが、あんまりサクサク追い抜かされるのも気分が良いものではない。なんせ今日の私のコスチュームは‘05年‘06年のツールドフランスで連続山岳賞のラスムッセン様もどき。山岳賞ヘルメットに山岳賞ジャージ。このイデタチで“遅い”ってのは許されない。山岳賞の名に恥じないようにせめて上り坂だけでも集団を引きまくる。なんかやたら調子が良くてトバしまくる。きっと周りの人は思ったハズ。「さすが山岳賞やな」と。ホクホクしながらトバす。しかし歯車は既にここから狂い始めたことに気付くにはまだまだ時間が早かった。


〜2時間目から4時間目まで〜

 ピット休憩は2回の予定。「3時間目に1回、そして6時間目に1回。残りの2時間は気力で勝負作戦」である。大まかにはその作戦でいけた。しかし「2回しかストップ出来ない」というプレッシャーがこんなに多くのしかかるとは思っていなかった。8時間もの長時間でたったの2回・・・!オレ、始めにトバし過ぎたんちゃうん!?時既に遅し。2時間半が過ぎる頃、私は消耗し切ってしまい、“ヘロヘロ”な所を初ご対面のシマウ魔さんに見られてしまう。しかも女子チームメイトのアマノッチやアキエちゃんにも抜かされてしまった。「オレがヘバってるなんてみんなに言うなよ!」と隊長命令を出しておいたが、利き目が無かったようだ。隊長の威厳が足りないのか、この2人が信用出来ないのか・・・。後者だと思いたい。ちょうど3時間で1回目の休憩ストップ。20分程休憩して少し回復。ケツに根が生えそうだったが鉄の意志で再スタート。


〜4時間目から6時間目まで〜

 4時間耐久組が終了するとコース上が閑散とする。自分のペースにちょうど良い列車も少なくなってしまうので4時間組が終わる前に少し速い大きな集団を見付けて乗り込む。ホームストレートの上りを30km/h以上で巡行していてもモノスゴイ楽!集団の真ん中にいると周りの空気が淀んでいるのがわかる。なんかムゥッとしている。もちろん集団落車の危険もあるが、こんなに楽ならそれぐらいの危険は屁でもないと思ってしまう。2周ほどついて行って離脱。ここからがツラかった!休憩したいが作戦通りにいく為にはまだ早過ぎる。とにかくゆっくりでもいいから粘りに粘ってガマンの時間。順位を下げたのも多分この期間。折り畳み小径車とかママチャリとか利用出来るものはすべて利用して引いてもらう。コバンザメ走法。おそらく猿隊長がおばあちゃんの顔を見たという時間帯はここだと思う。私はなんとかホラー体験はせずに済んだが、一緒にソロ出場のUNIアニキは「セナの顔が見えた」とのこと。スゲエ!!


〜6時間目からゴールまで〜

 2回目の休憩を終えて再スタート。残り2時間。アミノバイタルプロを飲んだので足は軽くなったが、この辺りから右ヒザが痛くなってきたので力を入れることが出来ない。ラン・ローラ・ランの時も200kmを越えたぐらいからヒザが痛くなってきた。次回200kmオーバーの長距離を走る時はテーピング等の対策をするつもり。残り約1時間の頃、ホントに辛くて何度も足を着きそうになったが「足着いたら死ぬ!」というクライマー精神でなんとか乗り越える。しかし坂でヘロヘロになっている山岳賞ジャージはカッコ悪いったらありゃしない。「コスプレ部門に出場しているんだ」と自分に言い聞かせる。途中(よ)さんがサポートしてくれた。チラチラと後ろの私の様子を伺いながら2周も引いてくれた。ありがたい!なんか目頭が熱くなってきた。走りながらポロポロ涙がこぼれてくる。歳をとると涙もろくなるというがここまでとは。イヤ違う。雨だ。顔に雨つぶが当たる。天気予報通りに雨が降って来た。雨の中を走ると何故かアドレナリンが出てくる。ヒザの痛みも忘れ“左目つぶって右目ウス目、無我の境地大作戦”を使って山岳賞アタックを繰り返す。ラスト一周に速い集団を見付け最後の力を振り絞って乗る。ヘアピンを抜けた所で同じくソロ出場のまっさんがいたので「一緒にゴールするぞ!」と声をかけて2人で最後の山岳賞アタック!木馬メンバーのピット前を走り抜け、2人で手を繋いで万歳ゴール!激しく乙。


〜まとめ〜

 周回数40周、走行距離234km。目標は250kmだったのであと2周程足りなかった。ヒザの痛み対策が最重要。“足は残ってるのに踏めない”のはとても腹が立つ。走行中の補給はゼリーのみだったが、私にはウィダーよりもヴァームの方が合っている気がする。なんでかわからんけど。周回毎に声援を送ってくれた皆様、ありがとうございました!40周ということですから40回も声援をもらえたのですね。ぶっちゃけ4回ぐらいしか憶えてませんが、店長の「オラー!!ペースアップや〜!足回せー!イケーー!!」が強烈に心に残ってます。いつかやり返す・・・!!


〜おまけ〜

 猿隊長イノウエさんが我々の結果が相当気になるらしく、レース後、私とまっさん(もしかしたら他のメンバーにも)同時に「どうだった?」とのメールが来た。返信するまでもない。モンキーズメンバーは全員アタッカーズになってしまったのだから。

 リザルト・・・http://suzuka8h.powertag.jp/2006/result/index.html

 写真・・・(よ)さんのアルバム



 最後の“山岳賞アタック”。しっかしこの写真カッコ良過ぎるやん!アタッカーズ女子部員募集ィヨロシク!!