サワガニ抱卵!


 
 いつものようにサワガニの水槽を洗っていると、1mmぐらいのイクラみたいなものが落ちていた。まさかと思ってメスを見ると、通称“フンドシ”と呼ばれるお腹の割れ目にたくさんの卵(十数個)を抱えているではないか。サワガニが卵を抱いているところなんて見たことがなかったから子供以上に大興奮してしまった。
 
 ネットで色々調べてみると、やはり飼育下での孵化は難しいようだ。綺麗で新鮮な水と静かな環境がないと産まれないらしい。狭い水槽の中、複数のカニが暴れまわっているような環境での妊娠・出産は人間でも難しいのではないだろうか。
 
 それでも今まで以上に愛着が湧いてきたのは事実。産み落とすものだと勝手に思っていたので、お腹の中で卵を守る母ガニのなんと愛おしいことか。これまで「気持ち悪い」と敬遠していたヨメもその母性本能に共感したのか、他のカニとは別環境にするためにと母ガニ専用の小さめの水槽を買ってくる始末。
 
 母ガニはエサもあんまり食べずに流木の窪みに隠れてほとんどじっとしている。他のカニは相変わらず毎晩カサカサと脱走を試みている。腹ませたのは誰だ。