ブレーキ恐かった

 最近フロントがブレーキ鳴きするようになったので、会社で帰宅前にキャリパーを外してちょこっとパッドを磨いてみたりした。

 全ての油圧式ディスクブレーキがそうなのかどうなのか、他のを使い比べたことがないので詳しいことは良くわからないけど、私のMTBに限って言えば、一度キャリパーとパッドを外してローターとの当たりを変えてしまうと、ブレーキのフィーリングががらっと変わってしまう。レバー握り始めから「カツン!」と効く感じだったのが、分解後はブレーキの握り具合に合わせて制動力が上がって来る感じになるのだ。文字で書くと後者の方がコントローラブルで使いやすいイメージだけど、「カツン!」に慣れてしまっている私としてはかなり違和感があって、ヒヤリとするぐらいである。

 でもまあそんなことは以前にも経験済みだし、今回もそういうことになるだろうなとわかっていたので、会社の駐車場で少し試運転して「ほうほうこんな感じか。よしよしわかった」とブレーキタッチを十分に確認して帰路についた。

 ところが、ウチの店に来て頂いたことのある方は御存じかと思うが、会社を出発して大阪方面へ阪奈道路を走ると、ずーーっと見通しの良い直線で、さらにほとんどが上り坂である為に、ブレーキを握ることが無いのである。でもそう言われるとそうだと思いません?市街地とかならしょっちゅうブレーキを使うけど、山の中に入ったりサイクリングロードを走っている時って意外とブレーキを使っていない。

 しかも今日はなんだか“乗れて”いたので、阪奈道路から清滝峠までの道や、さらに清滝の下りも全てノーブレーキでクリア出来た。つまり私は会社から約15kmもの間、一度もブレーキを握らなかったのだ。

 そら忘れるわな。ブレーキタッチ変わってるの。

 清滝を猛スピードで下って来て、下り切ったところの信号が赤だったので停まろうと強めにブレーキを握ったらブレーキが効かん(イヤ実際は効いている)!一瞬でパニってしまった!

 「ぬおおおっ!ロックさせたらコントロールを失う!くそう!ポンピングブレーキだ!!」などと『よろしくメカドック』に出てきたセリフを叫ぶヒマも無く、全身の毛穴は開き切り、そこから冷や汗が吹き出すかのようであった。

 そこで一句。

 『浴衣の乱 心のブレーキ 忘れるな』