●会話のことをキャッチボールに例えることがある。接客業をしているから、会話のキャッチボールが上手でないとどうにも業務に支障をきたしてしまうので、表情とか、声の大きさとか、自分と相手との親密度とか、その話題に対する相手との温度差とか、得意ではないのだけどその辺はいつも気を遣ってキャッチボールしているつもりだ。
●会話のキャッチボールの中でとても重要なのが「その場の空気」である。その場の空気を上手に読んで、投げていいボール、ダメなボール、相手が獲りやすいボールを投げないと、アサッテの方向に投げてしまっただけで気を悪くする人もいる。逆にアサッテの方向に投げてしまっても、その場の空気で冗談にすることも出来るので、「空気を読む」ことは本当に重要だと思う。
●酒の席なんかではその場の空気のクッション性が非常に高く、少々藤川球児ばりの直球を投げたって、その場の大きな空気抵抗のおかげで、相手に届く頃には意外とションベンカーブぐらいになってたりする。「直球投げたった!」という満足感と、「目ェつぶってでも獲れるわい!」という両者の満足感が相乗効果となり、その場の空気はさらにさらにクッション性を増していく。お酒は呑めないけど酒の席は好きだという人がいるのもうなずける。
●ただし、気を付けないといけないのは、こういうブログでのコメントのやりとりや、メールやBBSなんかのインターネット上での会話である。相手と直接面と向かっているわけではないので、言いやすいこともあるだろうが、そこには「その場の空気」というものが存在しないし(イヤ実際はあるかもしれないけど我々オッサンにはわからない)、実際の会話ほど瞬発力が無いから、軽くスライダーを投げたつもりが、キャッチャーにとっては大暴投!なんてことがよくある。
●ましてや酒に酔った勢いでツマラン書き込みをしてしまうと翌日に赤面することが多々ある。私の場合はほとんどそうだ。酔いつぶれている所をビデオに撮られてシラフの時に見せられるぐらいのレベルで恥ずかしいし、めちゃめちゃヘコむ。“酒の席”なのは自分の周囲1m未満の範囲だけで、それを読んでいるみんなが酔っているとは限らないことを良く理解しておかないといけないのだが、酔ってしまうとそういうことも忘れるので、そんな時はパソコンを開かない方が賢明かもしれない。
●ようやく私の息子も会話のキャッチボールが出来るようになってきたが、まだまだどこへ投げるかわからない。所詮子供の投げる暴投なんて大人が手を伸ばせば届く範囲内だからカワイイもんだと思っていたら大間違い。ヨメの前で「パパ、ビールのんでたで〜」なんて言うんだから油断も隙もない。早く空気読めるようになれよ。パパも頑張るから。