親父から学ぶこと

 急に変な話ですが、私は中学のときにオトンを亡くしておるので、それ以降のオトンとの付き合いが当然無い。オトンに怒鳴られることも無いしシバかれることも無いし諭されることも無いし思い出も無い。
 
 だから、結婚して“ヨメオトン”という存在が現れると、どうやって接していいのかよくわからなかった。ぶっちゃけて言うとヨメオトンが苦手である。なんちゅうか、いつも怒られてしまうような気がして自分の方から距離を置いてしまうのだ。
 
 そんなヨメオトンが、先日私を寿司屋に連れて行ってくれた。ヨメオトンと二人で出かけるなんてことが(というよりも父親という存在と二人になるということが)今までなかったから、ついつい緊張していつもよりも多めに酒を呑んでしまい、ヘロヘロになってしまった。
 
 連れて行ってもらった寿司屋は、カウンター席しかない小さな小さな寿司屋で、老夫婦二人で切り盛りしておられる店だった。そんな店にもかかわらず、お客さんが次から次へと来て、10席ほどのカウンターは我々が食事している間、空席になることは無かった。
 
 「こういう店は仕入れのリスクも少なくてかえって儲かるんや」
 
 とヨメオトンは言った。
 
 私は自分の働いている会社がカーディーラーであるとはいえ、店も小さいし人数も少ないし高齢化してきてるし、もうホンマに町の修理工場に毛が生えたぐらいのモンであることが少々恥ずかしいという気持ちがあったけど、こういう寿司屋を教えてもらって、「ウチの店でももっとシェイプアップできるんやな」と思った。
 
 大型チェーンの回転寿司がアカンというわけではないけど、私の目指す方はコッチかな~と。確かな味(技術)と最小限の仕入れ(人員)で最大級のサービスを。こういうことをもっと早くに父親から教わっていたらどうなっていただろうと考える。
 
 気付いたら、ヨメオトンもヘロヘロになってた。
 

親父から学ぶこと” への2件のフィードバック

  1. いやいや、酔っ払っててもその存在が教育になるんやと思うで。
    反面教師というかヒトのフリ見て我がフリ直せというか・・・。
    そのワリには酔っ払って足首折りましたよね。

コメントは停止中です。