声優になる夢を追いかけて東京で暮らす上司の長女さんが、数日前から彼氏を連れて帰省しているそうだ。
上司には娘さんが3人もいて、家の中では自分だけが男だから、女4人(娘3人嫁1人)は滅多に家に踏み入れることの無い「男子」にテンションが上がり、浮き足立っているという。私も上司の家にお邪魔して夕食をご馳走になったことがあるが、そういう感覚は容易に感じることが出来た。特に用事も無いのに、娘さんが代わるがわる部屋を覗きに来て、ビールはまだたっぷり残っているにも関わらず栓を開けてくれる。奥さんも大皿に一度に出せばいいのに、料理を小皿に何回にも分けて運んで来てくれた。
招かれている者としては嬉しいのだけど、上司にすれば少々鬱陶しい様子で、最後にはキレ気味になっていた。「ええかげんにせーよ!さっきからチョロチョロと!」
だからきっと長女さんの彼氏も、私がかつて受けたことのある「過剰サービス」に甘んじていることだろうと思う。正月でもない、お盆にも少し早いこの中途半端な時期に、東京からわざわざ彼氏を連れて来たのである。何か大切な話があるのは間違い無いのだろうけど、怒涛の過剰サービスに言い出すタイミングを逃し、お父さんの機嫌は益々悪くなり、今回の「人生の一大イベント」は失敗に終わるのではないかと、アカの他人の私でもそう思う。
私も一応同じような経験があるが、果たしてあの時はタイミング的に良かったのだろうか?イヤ、良かったのだから今があるのだろうけど、娘を育て上げた父親として、「このタイミングで来てくれたら嫁にでも何にでもやるわ〜」なんて言う人はいないだろう。
きっとベストなタイミングなんて無いのだろう。そんなものは自分が勝手に想像するだけのもので、私もいろんなパターンの「一大イベント」の話を聞いたが、「なるようになる」のが大まかな答えである。
長女さんの彼氏よ。案ずることはない。なんくるないさ〜(他人事w)。
でも今日はヤメとけよ〜。お父さん、さっき社長に怒られて機嫌悪いから。